義理人情
月曜日
一志中の生徒たちが修学旅行から帰ってきた
有り難いことにたくさんのお土産を頂く
その中の一つのお土産のサングラスについて書こうと思う
これがそのサングラス
贈り主は中3の男の子
彼は
普段の授業では明るすぎて、言葉遣いや授業態度を注意することもある、中一から通塾してくれている生徒だ
今から2年前、彼が中1だった年度のある日
彼は塾に置いてあったメガネを破壊した
そのメガネは
僕の誕生日に当時の塾生たちがプレゼントしてくれたおもちゃのメガネで
僕にとっては宝物だ
破壊の経緯としては
見ていない隙に飾っておいたメガネを彼がふざけてつけたとき、ツルの部分を折ってしまった
という流れだ
中一の生徒の行動としては予見できるものであったこと
自分の管理不足も原因だったこと等から
強く咎める事はせず
「これは俺の宝物やったからショックや。どんな物でも大事に扱おうな。人によってはとても大切なものである可能性は高いし、なにより物を大事に扱う理由は・・・」
と物を大切に扱う重要性を諭して終わった
あれから二年
その出来事を僕はすっかり忘れていた
しかし、彼は忘れずにいた
そして先日の授業の際に
「中一の時に先生のめがねの壊したから、これあげる」とこのサングラスを渡してくれたのだ
中学生にとって、ディズニーで買ったこのサングラスはとても高価なものだったと思う
修学旅行に持参できる限られたお金で、他に欲しいものを買うこともできたはずだ
使わないとしても残ったお金を自分の小遣いにする選択肢もあったはず
しかし、彼は2年前の出来事を忘れずに
自分のやったことをしっかりと返した
彼に義理人情を感じた
人にやられた事は忘れにくく
人にやってもらった事は忘やすいというが
彼は違った
生徒に大事な事を教えてもらった
本当にありがとう