フロリダのワニ

月曜日の授業前

幼稚園時代からの幼馴染で

みんなの塾立ち上げメンバーである

北上から電話が来る

 

彼は今年の10月から

アメリカのフロリダ大学で線虫の研究をしている

 

彼とは

川合保育園、川合幼稚園、川合小学校、一志中、津高校まで

ずっと一緒だった

 

小学生の時は、お互いにあまり勉強ができない生徒だった

中学入学後から、学校までの行き帰りの道中に自転車を漕ぎながらお互いの点数を勝負するうちに

気づけば2人とも学年で10番以内に入っていた

 

津高校に入学し、大学受験では

それぞれ第一志望大学の合格は叶わなかったが

 

彼は三重大に入学してから研究に没頭して、首席をとり、異例の早さで准教授に就任した

 

尊敬できる友人の1人だ

 

自分が学生時代に塾を始めた時や、銀行とダブルワークで塾運営をしていた時

周りの人からの

「なんで塾なんかするの?」

「将来性ないやん」

「銀行の方が安定して休みも多いやん」

という声が溢れていたが

 

彼はどんな時も応援してくれた

 

 

2人で

「世の中に一石を投じたい」と語り合って10年

彼は二石も、三石も投じている

 

自分はまだ握った石は拳の中

 

簡単に投げられない大きな石を握っているという言い訳をしつつ、目の前の生徒に向き合っていきたい

 

 

いつもは無口な彼からの電話が

気づけば2時間近くなっていた

 

「はやちゃん、日本はやっぱりいい国やよ。僕おるうちにフロリダに来たら?」

「俺はまだ日本でやらなあかんことたくさんあるんさ。フロリダはまだまだ先やな」

で電話が切れる

 

電話の後

たくさんの動画と写真が送られてきた

ありがとう

フロリダ気分味わえたよ